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おはよう。気持ちのいい朝だね、
と部屋に置いてある時計に話しかける私。
端から見たら、ただの変人だと思う。
「でも、本当に気持ちのいい朝だなあ。んー」
伸びをしながら窓の外を見ると、小鳥たちが楽しそうに空を飛んでいる。
……いいなあ、私も飛びたいよー。
だって私、魔法使いなのに箒を使って飛べないんだよね。
「あ、なんか悲しくなってきたぞ……」
他の魔法使いは箒を華麗に使って飛んでるのに。な・ぜ・だ。なぜ飛べない。
……はっ、いいことを思いついた。大きな鳥に乗れば飛べるかもしれない。まあ、飛ぶのは私じゃないけど。気分だけは味わえるよ。やったね。
「って、なにを考えてるんだ! 冷静になれ、リラ! 早く支度しないとお店が開けられないんだぞ」
と、自分で自分に言っている寂しい魔法使いがここに一人。
ふと時計を見れば……いつの間にか開店三十分前という驚きの時間になっていた。
「え!? いつの間にこんなに時間が過ぎたの!?」
ばっとベッドからおりて、急ぎつつ丁寧に身支度をすませる。あとはお店の鍵を持って部屋を出るだけ……。そう思っていたのに、突然大きな音をたてて部屋の扉が開いた。
「え? なにごと?」
私は驚きながら、扉を凝視した。
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