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「っ、クレア!なんでここに!?」
「なんか、リラちゃんのところに来ないといけない気がして……」
あ、よかった。早速さっきジャンに渡した魔法石の効果が出たみたいだ。
「クレア……ごめん。俺が悪かった」
ジャンは謝りながら、クレアにさっき私が直した魔法石を見せた。
「ねぇ、お兄ちゃん……私がこれじゃなきゃ嫌って言った意味わかってる?」
「俺が……俺が初めてお前にプレゼントしたものだからだろ」
「そうだよ。だから私はそのネックレスが大切なの。それを……それをお兄ちゃんは新しいのを買えばいいって言ったのよ。怒らないはずないでしょ」
「……悪かった」
「本当に悪かったって思ってる?」
「思ってる」
さっきまで怒っていたクレアは、にっこりと可愛い笑みを浮かべた。
そして
「じゃあ許してあげる。リラちゃん、直してくれてありがとう!」
クレアは私の手をぎゅっと握って満面の笑みをくれる。
うん、とてもいい笑顔だ。
直してよかったと思える。
そう心で思った私はクレアに笑みを返す。
「どういたしまして」
「リラ、俺もありがとう。なんとか仲直り出来た」
「ふふ、よかったね」
「あぁ」
「じゃあ、私たちはこれで失礼します!お騒がせしました!」
「はーい。またねー」
クレアは迷わずジャンの服の襟を掴んで、お店から出ていった。
……あぁ、また喧嘩になりそうな気がする。
お願いだから私を巻き込むのは止めてよ。
そう心の中で呟いた。
そして、また喧嘩した二人が私を巻き込んだのは……夢の中の話である。
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