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あ、そうだ。ルカにもパートナー募集のことお願いしよう。だがなんて切り出せばいいだろうか。
……ううむ、悩まずに言ってしまえばいいのに悩んでしまう。
「リラ、私になにか手伝えることはない?」
「えっ?」
心の中を見たような言葉に驚きが隠せず、思いっきり肩を揺らして動揺してしまった。
「なんとなくだから間違ってるかもしれないけど……貴女、なにか困ってることがあるでしょう? だから手伝えることがあったら言ってほしいの」
「……」
さすが占い師さん。いや、ルカだから気づいてくれたんだ。嬉しくなってにんまり顔になってしまう。うん、もうなんて言うかは考えずに話してしまおう。そうだそうだ。いつだってルカは呆れたようにではなく、真剣に考えてくれた。
「あのね、パートナーがいなくなってしまって……」
「理由は?」
「いつもと同じ。私のところじゃ勉強にならないからって」
「あらあら。どうして貴女のパートナーはそんなことを言うのかしらね」
「仕方ないと思うよ。だってほら、私は落ちこぼれだから」
……ああああ、自分で言って悲しくなってきた。
はぁ、私が空を飛べれば……。きっとパートナーが何度も変わることはなかったと思う。
なぜ私が落ちこぼれか。それは、この世界で空を飛べない魔法使いは落ちこぼれと呼ばれるからだ。
私だって飛びたい。空が好きだ。風も好きだ。全部全部好きなのに飛べない。なんてこった。
「それじゃあ今はパートナー募集中なの?」
「うん」
「なら私のお客さんにも言っておくわね。魔法石職人のリラがパートナー募集をしてますって」
「ほんと? ありがとう!」
「ふふ、いいのよ。私は貴女のファンなんだから。ね?」
おおう、きゅんときた。今の笑顔は反則です。なぜか同じ女なのにとても照れてしまうくらいの威力がある。今の笑顔を男が見たら、キューピッドの矢でハートを撃ち抜かれルカに惚れてしまうだろう。うん、絶対惚れる。
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