魔法使い、パートナー急募

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 ルカは私の右手を握って笑顔のまま言った。 「リラ、人手が足りなかったら私に言ってね。必ず手伝いに行くから」 「ありがとう! すごく嬉しい! あああ、そんな優しいルカには飴ちゃんをあげちゃうぞ!」  言いながらポケットをガサガサと漁る。 「飴玉はなに味が出てくるの?」 「えっとスウィートオレンジ味です!」 「あら、私の好きな味」 「よかった。私も好きなんだ、この味。あ、この間食べたイチゴミルク味も美味しかったよ! 今度持ってくるね」  取り出した飴をルカに渡して、少し飴の味について話をしていた。 「……ぎょわっと!!!」  驚きのあまり突然変なことを言ってしまった。  ……なんて言うか、楽しいときって時間が経つの早いよね。今、時計を見て思ったことだ。 「リラ、大丈夫?」 「あ、うん! 大丈夫!」 「あらあらまあまあ、もう空が茜色だわ」 「ごめんね。話に付き合わせちゃって」 「ううん、謝らないで。リラと話せてとても楽しい時間を過ごせたわ。ありがとう」 「私もルカと話せて楽しかったよ! ありがとう!」 「ふふ、またゆっくり話しましょうね」 「うん! 約束」 「約束ね」  指切りをしながら、にへへと笑う私とふふと笑うルカ。 「リラ、気をつけて帰ってね」 「うん! ルカも気をつけて」  私は大きくルカに手をふって、お店へと走り出した。  残ってる仕事も頑張るぞー。おー。
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