第1章

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 弟達は可愛い。お父さんとお母さんは働いてる。お古しか着せてやれない事を父さんと母さんは苦しんでいるし、食べ盛りな僕らは家計を圧迫するには充分だし、他は今は考えたくない。お金が足りない。働くしかないと思っていた。そして今さっき、働かないかと言ってきた綺麗な女性に着いていきながら思い出す。  「君!?可愛いからうちで働かない?」  フリフリスカートを穿いている可愛いが似合う女性。  「メイド喫茶、エンジェルですか。時給・・・が良い!?」  髪は黒で背中の肩甲骨まで伸びている。  「男の子っての抜きにしても人気出ると思うんだよね」  時給二千円のアルバイトとか願ったり叶ったりだけど。  「僕なんかで勤まりますか?」  少し不安。  「ぶふっ、鼻が熱い!?これは久々の当たりの子な予感だし、その表情だけでご飯五杯はいけるわ」  遠い目をしているのは確かで、危ない人なんじゃないかとは思うけど、大切な家族の為ならなんだってするよ?
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