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なぜ、冷泉さんと、そんな風になったのか?
考えもしていなかった。
クールで有能なプロデューサー。
仕事では尊敬しているけれど、
まさか、こんなことになるなんて。
業界って怖い。
解放感のせいかもしれない。
シナリオライターとして、
テレビドラマを一本片付けたのだ。
冷泉さんは厳しかった。
打ち合わせで泣かされたのは、
一度や二度じゃない。
今夜も泣いたけど、
それは仕事が無事済んだから。
つまり、嬉し涙だった。
とりあえず、厄介事は一掃されたのだ。
でも、二人きりの打ち上げと称して、
誘われるとは思わなかった。
冷泉さんに抱かれるなんて、
予想もしていなかった。
薄目を開けてみた。
眼鏡を外した顔は、初めて。
想像より逞しい。着やせするタイプ。
お腹は出ていないし、細マッチョ?
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