第1章

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「五分以内に買って来い、早く行かないと売り切れになるぞ」 「走れよ」 後ろから不良たちの隆をからかい楽しむ声が聞こえた、隆は悔しいが買いに行かないとど んなことをされるかわからないのですぐに校内の売店に向かって走って行った。 売店から戻ってきて体育館に入った、既に頼まれたものは売り切れていて、代わりにアン パンなどを買って持っていた。 言われた物は変えなかったがこれで許してもらえるだろうか? 倉庫の前までたどり着き扉を開けるとそこには先ほどの五人が跳び箱やバスケットボール の上に乗っかりながら円を作り話し合っていた。 「遅いんだよ、パンは買ってきたのか」 森がボールの上に腰をかけいたが立ち上がった、隆はその隣に言って買ってきたパンを渡 した、受け取った森は自分のパンを探して声を上げた。 「俺の頼んだパンがないぞ」 そういうと中村や佐藤と樋口も立ち上がり森に渡した買って来たパンを見て言った。 「俺言った焼きそばパンがない」 「俺のコロッケパンもない」 「俺のもだ」 そういって中村が私の胸倉を掴んで顔を近づけ睨みながら怒鳴った。 「どうなってるんだ」 恐怖で涙が出そうになるのを堪えて震える声で言った。 「もう売店に着いたときには売ってなかったんです」 眼に涙がにじんでくるのがわかるが中村が掴んでいるのを振り払ってその場から逃れるこ とができないでいた。 「だったらコンビニに行ってでも買って来いよ」 樋口もそういって隆を睨んで肩を叩いた、隆は殴られると思い目を閉じた。 「おい」 すると先ほどから黙っていた倉庫の奥の跳び箱に腰掛けていてこちらを見ていた高橋正二 という坊主で肩耳のピアスをしていて百八十センチもある不良たちのリーダーであった。 「どうしました、正二さん」 森がそういって高橋のほうを見た、すると高橋は言った。 「そいつをこっちに連れて来い」 「はい、中村」 名前を言われた中村は隆の胸倉を掴んで高橋の前に連れて行った、途中で地面にひいてあ る運動用のマットに足をとられて転びそうになる。 目の前に連れて行かれた隆は背中に刺すような視線を感じながら目の前にいる高橋が何か 言うのを待った。 しばらく倉庫の天井を見ていた高橋がぼそりと言った。 「ペナルティが必要だな」 ペナルティ?俺はなかったから代わりのパンを買ってきたのにか? すると後ろにいた奴らも高橋に合わせていった。 「そうだな、ペナルティが必要だ」
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