第1章

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倒れ、手から離れた金属バットが地面に当たり音を立てた。 「きゃー」 すると女子の叫び声が耳を裂くような音の悲鳴を放った、そちらを一瞬見たがすぐに樋口 のほうに顔を戻した。 すると倒れた中村の背中に赤いシミが広がっていきその赤いシミは地面で赤い液体となり 広がって言った。 「中村!」 樋口がそのように叫んだ瞬間に先ほどと同じは破裂するような音がきこえ樋口が仰向けに 倒れるのが見えた。 何が起こっているのかわからない。 森がそのまま立っていると樋口が少し動いた。 「樋口!」 近づこうとすると樋口の体を蹴るようにして隆が起き上がり鞄の中に右腕を突っ込んでい る状態であった。 「何をした!」 叫ぶと隆は笑いながら鞄の中から拳銃を取り出した、その光景を見た生徒が一気に教室か ら出ようと出入り口に殺到した。 すると隆が天井に拳銃を向けるのと同時に破裂音がした、今までの破裂音はどうやら発砲 音だということを理解し、森も逃げ出そうとした。 「動くな、動いたら次はお前らを殺す」 そう隆が宣言し誰も動けなくなってしまった。 先ほどから廊下が騒がしいと思っていたが黙って麻野と鎌本が高橋の担任だった井上から 話を聞いていると発砲音が聞えた。 「野田さん!」 早坂も気が付いたようで驚いている、麻野もわかっているが一余聞いた。 「今のは体育のピストルの音ですか?」 井上は頭をまげて思い出すように答えた。 「いや、違うような気がします、あんな音ではありません」 答えた瞬間にまた発砲音が聞えた。 すると廊下を誰かが走ってくる音が聞え勢いよく来客室の扉が開いた。 「校長先生大変です」 四十代過ぎくらいのスーツを着た男性が息を切らしながら言った、その様子を見た井上の 隣にいた校長が立ち上がった。 「どうしたんです?」 「教室で生徒が立てこもっていて中から爆発音がするんです」 「爆発音?」 麻野が立ち上がった、それにつられて隣にいた鎌本も立ち上がった。 「今のは拳銃の発砲音みたいだな」 麻野が確信を持っていい、野田たちは頷いた、すると校長と井上は驚いた。 「発砲音ですか?そんなはずはありません、ここは学校ですよ」 校長の溝口が言った。 「我々もそう信じたいので、我々もその教室に行かさせていただきます、いいですね?」 野田が力を込めて言い、はい以外の言葉はいらないこと示した。
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