第1章

8/72

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
うに喋りながら歩いていた。 隆はその間をすり抜けるようにして高校の敷地内から出て駅に向かって歩き出した。 駅に着き電車に乗るとそこにはもう生徒の姿はなく隆は安心して座席に座って外を眺めて いた、体が時々痛んだが電車の中の暖かい暖房で眠気を誘われてウトウトしてしまいその まま寝てしまった。 頭を何かに打つ痛みで目がさめた、電車が止まったときの衝撃で頭を窓のぶつけたようで あった。 隆は止まっている駅を見ていると降りる駅から二つ乗り過ごしてしまっていた、慌てて立 ち上がろうとするとドアの閉まるチャイムが聞こえてきた。 間に合わないと思った隆は立ち上がるのをやめてそのまま席に座った、するとドアの閉ま る音が聞こえて電車が動き出した。 次の駅で降りて電車を乗り換えて帰ればいい。 今度は寝てしまわないように体を動かしてワザと痛みを感じて眠らないようにして次の駅 で降りて電車を乗り換えて降りる駅に戻った。 降りる予定の駅に戻ってきた隆は電車を降りた、電車には高校とは反対側から来た電車な ので学生は乗っていなかった、駅には違う高校の学生の姿はあったが同じ高校の学生はい るようには見えなかった、隆は駅から出て自分の家に向かって歩いていこうとした。 すると乾いた爆竹のはじけるような音がして足を止めて辺りを見渡した、だがどこにも爆 竹をやっているような人影はなくそのまま歩いていこうとすると近くのビルの二階から男 が三人我先と争うように階段を下りてきて隆の目の前でそのうちの一人が倒れた。 驚いた隆は足を止めずに男を避けて歩き黙って倒れた男を見ていた、二人の男が倒れた男 を助けあげようとしていてよく見ると三人とも柄の悪そうな男たちであった。 「待てこの野郎!」 男の怒鳴り声が上のほうから聞こえ思わずそちらを見てしまった、するとそちらからは派 手な色のテカリのあるYシャツを着た男二人が駆け下りてきて手に持っている黒いものを こちらに向けた。 また爆竹の爆ぜるような音が聞こえたが今度は大きく聞こえビルから降りてきた男が持っ ていた黒いものの先に炎が上がるのが見えた。 爆竹の爆ぜるような大きな音が聞こえ隆は理解したあれは拳銃だ。 倒れていた男は立ち上がり三人はばらばらに逃げ、隆も危険を感じその場から走って逃げ た。 後ろから男の怒鳴る声が聞こえ発砲音が聞こえた、すると先ほどまで気が付いていなかっ
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加