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「………まだ頬っぺたが熱い。」
家の中に入り床の上にペタリ、と座り込むと両頬を触った。
「さっきの橘さんって人、格好良かったなぁ。歳、幾つだろ。あたしより結構大人みたいだし、って言ってもハタチになったばかりのあたしからしたら、みんな大人か。」
暫く片付け等をしていると日も暮れお腹が鳴った。
「お腹、空いたなぁ。食材は買ってあるし、晩御飯作ろ。」
鍋にお湯を沸かし、パスタを茹でている間に、色んな種類のキノコとベーコンを醤油バターで炒め、軽く塩コショウを入れ、水とき片栗粉を入れようとすると、何やら焦げ臭い匂いが漂ってきた。
「……え、何。あたしの家じゃ無いよね。………まさか。」
玄関のドアを開け外を見ると、お隣さんである橘さんの家から煙がたくさん出ていた。
「はぁっ?!何が起きてるのっ?橘さんっ!橘さんっ、大丈夫ですかっ!」
ドンドン、とドアを叩くと中から涙目で咳をしている橘さんが出てきた。
「…ゴホッ、ケホッ……。あぁ、キミか。ごめん、ちょっとね。」
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