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むかーし、むかし。深い森の奥に小さな村がありました。
その村の一軒には小さなかわいい女の子がいて、その子を見た人は誰でもその子が好きになるくらい、村で一番かわいい女の子でした。
でもその女の子が一番大好きだったのは同居しているお祖母さんでした。
ある時、お祖母さんはその女の子の為に何かプレゼントしたいと考えました。
「そうだわ。赤いずきんを作ってあげましょう。あの子の絹のような金色の髪と青い瞳には、この赤いずきんがよく似合いそうだわ」
お祖母さんは赤いビロードで出来たずきんを作ってあげました。
女の子はとても喜びました。
「ありがとう、おばあちゃま。あたし、だいじにするね」
そのずきんは女の子にとてもよく似合っていました。女の子はそのずきんをとても気に入って、それ以来、赤いずきんを毎日被っていました。
何年も何年も。彼女は赤いずきんを被り続けました。
んで、彼女が十六歳に成長した時。
彼女は『赤ずきん』という二つ名とともに――
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