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苛めというものはどこにでもあるものだ。そして私がそのクラスで標的になった。要はそれだけの話だ。それだけの話だが、私にとってどれだけ苦痛だったか、お前らには想像もつかないだろう?
お前らは忘れているだろうが、私は忘れていない。だから今もこうして呪っている。
蟲毒を使って。
古代中国で使われていた呪い。虫を使った呪い。器の中に多数の虫を閉じ込め、互いを喰い合わせ、最後まで生き残った最も生命力の強い一匹を用いて呪いを行う。
私の蟲毒はこの女郎蜘蛛。女郎蜘蛛に私を苛めた奴らの名前を与えた虫を喰わせた。そうしたら、その数日後に、そいつは死んだのだ。獣に喰われたような無様な死体を晒して。
驚きと恐怖と共に、言い知れない歓喜を感じたことを覚えている。
呪いは実在し、私は奴らに報復出来るのだ。
その時、甲高い音を立て携帯が鳴った。確かめてみると、婚約者からのメールだ。
[ごめんね、今日行けないかも]
分かったまた誘うよ、と返信をして携帯を閉じた。
今日もまた、違う男と寝るのだろうか。私が気づいてないと思っているんだろうな。
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