26人が本棚に入れています
本棚に追加
だから、涼はだれが好きだとか、真菜はだれが好きだとか、気にも止めていなかった。
昨日、涼と抱き合って、眼の前にかかっていたフィルターが消えてなくなった。
見るもの全てが変わって見え始めた。
そして、大事なモノが……くっきりとしたかたちで、目の前に現れた。
涼……
いつも傍にいた涼の全てが愛しくて、心の底から無言で叫んでいた。
『涼から離れて』
青木クンには悪いと思ったけど、電話が終わって駆け寄って来た時、わたしは手を制服のベストのポケットに突っ込んで、手は繋ごうとしなかった。
青木クンはその話題はスル―してくれたけど、やはり、気を悪くしたにちがいない。
最初のコメントを投稿しよう!