第1章

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恥ずかしいのはもちろんだけど、いつもそばにいた幼なじみの涼が急に男の子として変貌したんだ。 思い出すだけで胸がいっぱいになった。 涼の手とか吐息とか匂いとか、何度も鮮明によみがえって来たんだ。その度に顔が熱くなって、冷や汗が出て来ていた。 今まで涼は傍にいたけど、わたしから、最低ニ十センチの距離はずっと保ってくれてた。 たまにジャレあって、身体に触れたりしたことはあったけど、その度にゴメンと言って謝ってくれてたのは涼のほうだ。 今思えば、涼は確かにわたしに優しかったし、いっつも気を使ってくれてた。 辛い時だって、何も言わず、傍にいてくれてた。 鈍感。
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