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「沙都、稲本今日はパスだってさ」
稲本和也とは、水華と同じ剣道の男子部員だ。
「え~稲本パス?じゃあ、わたし、今日だけ涼の彼女になろっと」
あぶれていた真菜が涼の腕に巻き付いた。
ドッキン
真菜の行動に今日、一番の胸の高鳴りを感じた。
胸が大きく音を立てて、苦しくなった。
「今日だけじゃなく、ついでに付き合っちゃいなよ」
水華が、達樹の腕に巻き付いたまま切れ長の目をクリクリさせた。
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