第1章

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「う~ん。でもなあ、涼は二、三年生の先輩たちに超、人気があるしなあ~。付き合うとなると厄介だな」 真菜がそう言いながら先輩たちがいないか、グラウンドの方をうかがう。 「畑野涼クン、サッカー部だよね。うちのクラスの女の子たちにも人気あるみたいだよ」 何も知らない青木クンが気兼ねなく涼にそう、話かけた。 「人気なんて無いし……真菜、俺にだって選ぶ権利あんだからな」 涼が不貞腐れた顔で、そう言ってプイと顔を横向け、スタスタ歩き出した。 そう言われた真菜はそれでも涼の腕を離そうとせず、後に続いた。 「俺らも急ごう」 達樹がわたしたちに向かってそう言い、わたしと青木クンも涼を追いかけるように歩き出した。
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