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「……泣いてる…?」
あの頃の弥斗からは考えられないほどの弱々しい声で尋ねられる。
驚きで、涙は止まっていた。
「大丈夫?」
ふふっと笑顔を見せる弥斗に、自然と僕も笑ってしまう。
久しぶりにみた。僕のダイスキな笑顔。
「大丈夫だよ」
ねえ、弥斗どうしてかな。
僕は最近よく思うんだ。
君がいなかったら、今の僕はいないだろう。って
今のこの幸せな暮らしはなかっただろうって。
もしかしたら、土方さんのことも君が救ってくれたのかな。
直接的に何かしたわけじゃないかもしれない。
だけど君には、人を救える、力があったよね。
もし君と出会っていなかったら。
そう考えるだけで、涙が出そうになるんだ。
かっこ悪いって思われるかもしれないね。
でも、それくらい君の事は大切で、かけがえない存在なんだ。
「弥斗。ありがとう」
神様…弥斗と出会わせてくれて、ありがとう。
本当の恋を…泣けるほどの恋をさせてくれて…ありがとう。
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