第30話 結びの絆

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 ※  そして五分後――。  俺は玄関のドアを開けて結衣を迎えた。  で? 何の用だ?  すぐ近くで車のクラクションの音が聞こえてくる。  Jの車だった。  家のすぐ近くに車を横付けして待っている。  え?  わけわからず俺は目を丸くした。  すると、結衣が俺の腕を掴んで言ってくる。 「奈々ちゃん今日出発するって、さっき電話があったの。今ならまだ間に合うから」  いや、なんで俺まで──  急に結衣が真剣な顔で言ってくる。 「本当にこのままでいいの? 奈々ちゃん、本当にアメリカに行っちゃうんだよ? 奈々ちゃんのコードネームはもう無いから、向こうの世界では二度と会えないんだからね。わかっているの?」  ……。  俺は何も言い返せことができずに口を閉じた。 「もう! いいから早く行くよ! 間に合わなくなるでしょ!」  結衣から腕を引っ張られるようにして。  俺は家を出て、Jの車に乗り込んだ。
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