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「! 本気ですか……?」
さすがに引いた。
これまで何人もの挑戦者がいたが、誰一人食べきった者はいなかった。
「問題ないだろう。ついでにグラスワインもたのむ」
「はい、ウルトラパフェとグラスワイン……」
違和感のある取り合わせを伝票に書き込みながら、目の前のこの人なら完食できるかもしれないと、ガニガニ・9・ボーテの風貌を見て、みこはそう期待した。
ぱたぱたと注文を伝えに戻る。気分が高揚していたせいか、すてんと転んだ。
「いてて……。オーダー、お願いします」
みこは頬を上気させて。
マスターが厨房でチョコパフェを作っている間、佐野由加里はみこにささやくように言った。
「ここのチェリーパイ、マスターがときどきいたずら心をおこして激辛にしてあるときがあるの。今日の焼いた分がそうよ」
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