彼女は幽霊

2/5
前へ
/27ページ
次へ
 二人の宇宙人はJ'sキッチンでの糖分過多の夕食を終えて、レジデンス茜台へと帰ってきた。  ルケルケ・7・トーはチェリーパイの作り方を聞いて、さっそくアルバイトが休みの日にでも作ってみようと意気込んで。  マンションの階段をあがって、三階を通過したとき、ふと通路に送った視線が人影をとらえた。301号室の前にいたのは、若い女性と301号室の住人、柚木咲哉だった。若い女性は見たことがない。が、そのときはガニガニ・9・ボーテは気にしなかった。  部屋に帰ると、スイッチを入れていた異常感知装置が反応しているのに気づいた。そしてそれは301号室を示していた。  ガニガニ・9・ボーテは、さっき見た二人だと直感した。  すぐさま部屋を飛び出した。  二人はまだ三階の通路にいた。 「その人、人間じゃないだろ?」  ガニガニ・9・ボーテはストレートに言い放った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加