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「でも、伊藤さんはそのことを知らないのかもしれないです。仕事が違うのに先輩・後輩の間柄なんて、きっと学生時代からの付き合いなんですよ。大人になってもずっと固い友情で結ばれてるなんて素敵ですよね」
友情が発展すれば愛情になるのだと単純に思っているみこは、ふたりの関係を頭の中で勝手に想像してしまう。
「豊臣さんは身分を隠しているから、伊藤さんの思いにこたえられないのよ」
妄想全開だった。
「さあさ、しゃべってないで、お冷やとおしぼり」
放っておいたら際限がないところを、マスター(40代・イケメン)がうながした。
「はーい」
みこは、冷水の入ったコップをふたつ、おしぼりふたつをトレーにのせて、注文をとりに二人の座るテーブルに向かった。
「いらっしゃいませー」
「やー、来ちゃいましたよ」
陽気にこたえるルケルケ・7・トー。
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