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だけど予想通り、俺が到着した時はもう"その体制"だった。
間に合わなかった。だけどまだ入れる所までは いってない。
俺が姿を消してからどれくらいの時間が経ってたか知らねーが、案外トロイんだなと思う反面嬉しくて、怒鳴るよりも先に、俺はアイツの胸ぐらを思いっきり掴んで、タンス目掛けて渾身の力でぶっ飛ばしてやった。
これでアイツと君を引き離す事は出来た。もう大丈夫だ。
一方の君は、ベッドの上で肩を震わせながら怯えている。そして、やっぱり泣いている。
そんな君を俺は、抱き締めた。そして
「野 城 。おめえ、何考えてんだよ?…アホか…」
と言った。
しばらく沈黙が続いた。
俺は頭の中で、この重たい空気を何とかして和らげたいと思っていた。
君にこれ以上、怖い想いをさせたくないから。
今君がアイツにされた事を、俺なりに、笑いに変える事が出来ないかと考えた。
男と身体を重ねる事は、決して怖い事なんかじゃないんだと、君に伝えたい。
きっと幸せな気分で、お互いが笑顔で、もっとそれは楽しい時間ないんだと伝えたい。どうか、間違った印象のまま大人になって欲しくない。
どうか、男は怖い生き物なんだと思って欲しくない。
君が今後 誰かとそれを迎える時に、今日の事がトラウマになって、辛い想いをするようになってしまうんじゃないか
つまりそれは―…
もしも、俺と迎えるがあったら、どうか思い出して苦痛になって欲しくない――…から。
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