魂の子

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文章で食べていきたいなんて、夢見てた頃もあったっけ。 文学青年だった僕も正しく磨耗して平凡な社会人になった。 家具チェーン店で季節に追われるうちに、五年が経っていた。 桜は新生活の象徴だけど、僕はディスプレイの造花しかまともに見ない。 忙しい年度初めをやり過ごし、一息つくころにはもう葉桜だ。 そんな頃に大学短歌会の先輩から電話があった。 『GWに呑みに行こう』 その場で日程を詰めてくるあたり、 厄介事を頼まれる予感が、した。
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