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「ね? 言ったでしょ?」  自分が本当のことを言っていることを証明できて嬉しいのか、白石は満面の笑みを浮かべている。 「京花も見て!」と和田を振り返るが、彼女は首を横に振るだけだった。 「やっぱり足跡ないね……」  星野の言う通り、白石が撮影した写真には、足跡らしいものは写っていなかった。 「これじゃ、ここに何かあったとしても、それを移動させることはできないね」 「昨夜は雪が降ったのかな?」  白石が思い出すように空を見上げた。  昨日は良い天気だった。  夜も満天の星空が見えていた。 「寝てる間に降ったかもしれないけど……、でも、ここにあった赤い雪が消えてしまった説明にはならない」  星野の言う通りだった。 「私、もうひとつ嫌なこと思い出したんだけど……」  後ろで和田が怖々と口を開いた。  僕と女子二人が彼女の方を見る。 「昨日、旅館の人が言ってた話、覚えてる?」 「旅館の人?」  僕は首を傾げる。白石たちも、覚えがないというように考え込んでいた。
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