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低いところに花が咲いていました。
とても小さな花でした。
だから、誰も花には気づきません。
チョウがそばにやってきました。
そのチョウは空の旅の途中でした。
しかし、花の前を通り過ぎて、目を向けることもありません。
「ああ、私がもっと大きくて、もっときれいで、みつがたっぷりある花だったら、チョウが止まって休むこともできたのに」
花は後悔しました。
何日か過ぎて、ある日のこと。ウサギがそばにやってきました。
そのウサギはおなかをすかしていました。
ウサギは花を見つけると、鼻をくんくんさせて、葉っぱを少しだけかじりました。
しかし、ウサギはそれ以上は食べずに、どこかに行ってしまいました。
「ああ、私の葉っぱがもっとおいしかったら、ウサギはおなかいっぱいになれたのに」
花は後悔しました。
また何日か過ぎて、ある日のこと。小さな女の子がやってきました。
その女の子は、お母さんにプレゼントするための花をさがしていました。女の子の手には、いくつかのきれいな花がありました。
女の子は花を見つけると、「かわいい」と言いました。
しかし、花のくきは花束にするには短すぎました。
「ああ、私の背がもっと高ければ、プレゼントの花束になることもできたのに」
花は後悔しました。
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