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……ビクンッ!!
体に一つの大きな衝撃が走り、俺は目を覚ました。
機体の安全装置が働いたらしく、俺を電流で叩き起こしたらしい。大分高度が下がっているものの、勝手に水平飛行になっている。
……僚機は、僚機は大丈夫か!
「こちらイーグル1、各機応答しろ!」
『……………………こ、こちらイーグル2、機体の異常は……ありません。』
『……こちらイーグル3、えぇと、こちらも機体の異常なし。』
『………イーグル4……異常無し……』
どうやら奴らの機体にも俺たちと同じように安全装置が働いたらしい、続々と目を覚ました。
「……取り敢えず全機無事なようだな。……全機帰投する、俺の所に集合しろ、さっきの光といい、何か異常が起きたことは間違いない。」
「こちらイーグル1、小松基地応答せよ。……小松基地、応答せよ!」
俺は僚機に命令を出しながら基地指令に連絡をとろうと思ったが、向こうとは繋がらなくなっていた。恐らく向こうでも何かあったに違いない。
『こちらイーグル3、小隊長ぉ、繋がらないんすか?』
「……あぁ、応答がない。」
『恐らくさっきの光と関係が……ま、まさか核兵器による攻撃を受けた!?』
『おいおい、イーグル2落ち着けよ。』
「イーグル2、イーグル3、お喋りは後だ、とにかく一旦戻るぞ。」
『……すみません小隊長、取り乱しました。』
『やれやれ、世話が焼けるぜ。』
『…………』
……ん?だがちょっと待てよ?
確かに、さっきまでこれでもかと言うくらい最悪の天気だったよな?
……それが、何故今は雷雨どころか雲ひとつ無い快晴……?
……まぁ、とにかく今は有事だ、俺もさっきの光で記憶がどうかしてるのかもしれんし、速く帰った方が良いだろう。
俺は、後ろに僚機がついたことを確認すると、速度を上げ帰路についた。
さっきまで空に居座っていた雷雲はその痕跡すら残さず、四人の喧騒とは真逆の、吸い込まれそうな青空と、穏やかな太陽だけがそこにあった。
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