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イヤホンから届く音が意味を成さなくなった頃、すっ、と入り込んできた。
納得できるなぁ、と思ってしまった自分にびっくりして、慌てて周りを見る。
iPhoneから延びるピンクのコード。
使い古したリュックに、チェックのスカートから覗く膝。
生きている証に安堵する。
「死」という重いワードがこんなにもしっくりくるなんて、思いもよらなかった。
失言を発してしまい、気まずい時。
大きな失敗をしてしまった時。
実際に死にたい訳じゃなくて、その場から消えてなくなってしまいたい。
そんな気持ちに寄り添ってくれる。
消えた後どんな風に戻るか、なんて詳しい設定はどうでもよくて。
この言葉があれば、一息ついてまた動き出せる。
それだけで、十分だ。
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