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「釈迦敷さん!
札幌に帰ってたんですか!?」
聞き慣れない珍しい苗字を口にする美智。
私たちの背後に立っていた男性の年齢はおおよそ30歳前後といった所だろう。
口元には整った髭を生やし、丸いフレームの眼鏡の奥にあるくっきりとした二重瞼の目が印象的だった。
そして特徴的なカールを描く柔らかそうなその髪型に相反して、彼の体付きは筋肉質でとても男らしく見える。
彼と妹との接点が想像できず、私は両者の顔を順番に流し見た。
釈迦敷(しゃかしき)というこの男性は幼子を愛でるような表情で美智の顔を見つめている。
そして美智も満面の笑みを浮かべ、彼と少し会話を交わした後私に彼の事を紹介してくれた。
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