いいこと

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グラスを重ねる高い音が 静かな部屋に心地良く響いた。 『一杯だけ』 そう言って会長を睨んでいた渉さんも、 結局は会長に最後まで付き合っていた。 おかげで私も高級シャンパンを… ゆっくりと味わうことが出来たのだけど。 憎まれ口を混ぜながら それでも会長と渉さん、そして私の会話は少しも途切れずに弾(ハズ)んでいた。 アルコールのせいで熱くなる顔と火照るカラダ。 会長がおやすみになったら… 優しい渉さんに… ご褒美をあげようかな… そんなことを考えて 目が泳いで瞬きの回数が増えるけど 耳まで真っ赤になるいつもの感覚は… お酒のおかげで誤魔化せたかもしれない。
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