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「こら、何を騒いでるんだ」
「すみません」
「すみません」
「すみません」
三人で同時に謝った。
「磯山君はそろそろ副社長がお戻りだ。連絡事項をまとめなさい。西田君は常務がもうすぐ会議だろ。会議室は整ってるのか?桐谷君は…もうすぐ社長への来客だろ。出迎え、遅れるんじゃないぞ」
「…はい」
「…はい」
「…はい」
三人でまた、返事をする。
「ちょっと社長室に行ってくる」
室長は席を立ち、秘書室を出て行った。
するとすぐに理央と奈美が寄ってくる。
「…ねえ。なーんか室長。ちょっといつもと違わない?」
「うんうん。なんか…いつもより男らしいっていうか…」
「…かっこいい」
「…カッコイイ」
二人のおしゃべりが加速しそうなので私は時計を意識して二人に言った。
「ね、ホントに二人とも時間大丈夫?準備しなきゃ」
「…いつも一緒にいたのに…ある日突然その存在が気になりだす…」
「オフィスラブなんてそんな些細なことで簡単に始まっちゃうのよね…」
「…室長…」
「…いいかも」
「だめだめだめだめ…!!」
「なんでよ?」
「…室長…彼女…いるんじゃないかな?」
「ええ!?」
「えー!?」
「…私、時間だから社長のお客様迎えてくるね」
今度は私も秘書室を出た。
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