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その日のお昼休み。
いつもより早めに食堂に行くと、私は真っ先に野崎さんを探した。
…いないかな…
ぐるりと食堂を見回し、彼女を見つけたのは窓際の奥の席だった。
私と目が合った瞬間、彼女が私に手を振って合図する。
私はそれに頷(ウナズ)いてから、トレイを手にして定食を選択した。
そわそわしながら彼女のテーブルまで来ると、彼女と隣り合うように席に着いた。
内緒話にはこの方が都合がいい。
私たちは食堂の一番端で、壁に向き合うように他の社員からは背を向けた。
「…会えてよかった」
私が彼女の顔を見ると彼女も笑った。
「…うん、よかった」
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