3人が本棚に入れています
本棚に追加
初夏。
まだ少しだけ涼しいけれど、7月に入れば一気に暑くなるでしょうね。
でも、私にはそんな事は関係無いけれど。
場所は『聖・中谷高等学園』の学園長室。
目の前にはこの学園の長である『中谷 豪喜』が居る。
「君は『組織』の回し者かな?ん?」
歳は、おそらくまだ20代半ば、と言ったところかしら?
「…どうなんだ?」
「ふふっ、さぁ、どうかしら?」
だから、私は妖艶に微笑む。
「ふざけずに答えろ。
貴様は一体、何者だ?」
体育会系。いかにも、と言った感じで。
「あら、恐いわ?」
「貴様ッ!!」
「ふふ、冗談よ。組織とは違うわ。」
「ふん…どうだかな。
色々と調べさせてもらったが、何一つ情報が得られなかった。
…まあ、住所だけはわかったがな!」
と言って、少しにやりと笑う中谷学園長。
「あら、それは残念ね。」
「…貴様、昨日の夜、天河彩希の力を試したな?
家にも行ったようだな。何故だ?」
「別に。
特に理由はないわ。強いて言わせてもらうなら…そうね、女として男に興味があった、ってところかしら?」
「ふん…どうだかな、この化け物め……。
…貴様は2-Aだ、とっとと失せろ!」
「あら?ご丁寧にどうも、
あ・り・が・と・う。」
と、投げキッスを一つ。
私は身を翻し学園長室を後にして、2学年教師室へと歩を進めた。
「くそ…気持ち悪い女だ。
…あれが、『剣の魔女』か…厄介なヤツが来ちまったなぁ。」
という悩ましげな声が扉越しに後ろから聞こえた。
「…うふふ♪」
だから、私は楽しげに笑うのだった。
最初のコメントを投稿しよう!