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「あうっ!?」
と小さい悲鳴をひとつあげ、女は吹き飛んでいった。
「…ふぅ。うまくいったぜ…。」
………ん?
し、しまった…!
つい命の危険を感じたから思いっきしやっちまったが、この子は女の子じゃないか!
俺は女の子にだけは手を出したくないし、出すことを許さなかった。
だが、それを破ってしまうとは…マズイぞ、俺!
「お、おい?
大丈夫か…ま、まさか、死んだりしてないよな!」
「……。」
こ、これは、まさか…!
「へんじがない、ただのしかばねのようだ。」
「生きてるわよっ!」
「うおっ!
び、びっくりさせんなよ!」
まさか、この言葉に反応してくるキャラクターが居たとはな…!
驚き桃の木だぜ☆
「いたたた…普通、美少女に向かって本気で攻撃なんてしてくるものかしら?
どうなの、天河彩希?」
なんか、下らないことを考えていたらヒドく理不尽なことを言われていたぞ!
なんてこったい!!
「わ、わりぃ…。」
なぜ謝ってしまったあああああぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
「全く…死ねばいいわ。」
「そこまで言うかよ!」
「ふん……あ。」
「…お?」
2人が、あ。、や、お?、と言ったのは空気を読めずにどこでも鳴る音がこのタイミングにこの空間で鳴り響いたからだ。
その正体とは…。
「…ハラ、減ってんのか?」
「……。」
小さく頷く女の子。
はい、そうです。
腹の音です。
授業中、会議中、葬式中…いろんな静かな場面で急に鳴りだし、恥辱の境地に叩き込まれるあの空気読めな過ぎ音である。
そして目の前で地面にぺたんと女の子座りする子はお腹が減っているわけで…。
「…メシ、食うか?」
「…うん。」
と一言。
…え、かわいいよ。
めっちゃかわいいよ、この子?
なんか、俺の好み直球かもな…。
…珍しいな、俺。
俺はあまり他人に興味がない。
だから、かわいいとかってのもあんまり思ったことはない。
マジで珍しいぞ、マジで。
「…はっ!
よ、よし、んじゃウチこいよ!」
「え?
で、でも、御両親や兄弟とかおじいちゃんおばあちゃんが…。」
なんかムダな言い方だな。
ご家族で良いではないか、良いではないか?
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