人魚姫の宴

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★☆★☆★ 「うーん。探すとは言ったもののどこから手をつけようかねぇ。」 薄茶色のタイルが敷き詰められた道を歩きながら白髪の少女…紅虎は顎に手を当て、軽く頭を傾げた。 彼女は、依頼を受けた後からすぐに捜索を開始したのだが、何せ街が意外にも広い為、探すのにも苦労する。 ターゲットの名前はローア・ウリアナ【14歳】 金髪のおさげ頭、そばかすのある身長の低い少女で、ひきこもり気味のおとなしい性格であったという。 確かに、この情報を聞くと、何か事件が起きたのではないかと心配になるのも無理はない。 (ひきこもり…。 行く所は限られてくるな…。もう少し聞き込みをするか。) そう思い、街の住民達に聞き込みを開始しようと近くの民家に足を運ぼうとしたその時。 【グイッ】 誰かが紅虎の服の裾を引っ張った。 因みに、現在の彼女は、黒いフード付きパーカーに黒いズボンに黒いブーツといった、全身黒ずくめの服装に身を包んでいる。 「わっ。おい、誰だ引っ張ったのは…。」 いきなり服の裾を引っ張られた為、少し驚きながらも冷静に後ろを見てみると、そこには、紫色のサラサラな短髪に、キラキラと光る、まるでアメジストのような瞳・黒いTシャツ・カーキの短パンといった、活発そうな少年の姿があった。
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