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「何だ?少年。私に何か用か?」
紅虎は、首だけを少年の方に向けて問いかける。
ズボンのポケットに両手を突っ込んで立っている紅虎を見、少年は訝しげな表情を浮かべた。
「姉ちゃんがギルド最強の西園寺 紅虎?」
「最強かどうかは知らんが、私が西園寺 紅虎だ。」
「ふーん…。何かそんな風には見えないね!ただのヤンキーみたい!ねぇねぇ、何で白髪なの?実は年寄りなの?」
「誰がヤンキーだこら!しばくぞガキ!あと、白髪白髪ゆうな。全国の若白髪に謝れ。」
「白髪~」と馬鹿にしながら、ニヘラ。と笑う少年の頭を、グリグリと押さえつける紅虎。
確かに、ポケットに手を突っ込んで歩く彼女の姿は、ヤンキーにしか見えなかった。これでも、紅虎は、【ギルド最強】の称号を得ているのだが…、普段の彼女からはそんな威厳を感じられないのも事実。
また、若者で髪色が白というのも珍しい。世界に白髪はおそらく、数えるほどしかいないだろう。
「ねぇ、虎ちゃん。」
「え、馴れ馴れしいな君。」
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