49人が本棚に入れています
本棚に追加
店を出たら、雨が強まっていた。
地面を叩きつける雨音だけが響く。
入り口の傘立てに目をやると、手が止まった。
立てておいた傘が無い。
誰かが持って行ったのか……
そんなことを無気力に考えて、コンビニの軒下で空を見上げた。
暗闇から筋を引いて落ちてくる雨。
この雨なら消してくれるだろうか。
日を追うごとに鮮明になる思い出も、想いも。
そして、俊平がいなくなった寂しさを。
右手に握りしめる、コンビニの袋。
こんなに重たかったっけ……
最初のコメントを投稿しよう!