ごめん。

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店を出たら、雨が強まっていた。 地面を叩きつける雨音だけが響く。 入り口の傘立てに目をやると、手が止まった。 立てておいた傘が無い。 誰かが持って行ったのか…… そんなことを無気力に考えて、コンビニの軒下で空を見上げた。 暗闇から筋を引いて落ちてくる雨。 この雨なら消してくれるだろうか。 日を追うごとに鮮明になる思い出も、想いも。 そして、俊平がいなくなった寂しさを。 右手に握りしめる、コンビニの袋。 こんなに重たかったっけ……
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