第1章

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「涼……って?」 『さっきね、家まで送ってもらったの。不貞腐れてて面倒くさそうな顔してたけど、もう、暗いからって、結局家まで送ってくれてさ。涼って優しいね。カラオケでも、ブツブツ言いながら、リクエストした曲は全部歌ってくれたしさ。涼が優しいのは沙都限定だって思ってたから、なんか、とっても嬉しかったんだ』 弾んだ真菜の声。 わたしと青木クンが帰ってから相当楽しんだように思えた。 確かに涼は優しい。 誰にでも気を使う子だ。 小さい頃から、自分に出来ることは相手を選ばず、優しく出来る子なんだ。 沙都限定……
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