第1章

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通話を切ったので、涼からの電話も途切れた。 着信履歴を探して、すぐ、涼に電話を掛け直した。 「涼?」 『沙都……お前、今どこよ。まだ、帰ってないじゃないか』 「うん。もう直ぐ家に着くよ」 『今から俺ん部屋に来いよ。お前んちとうちの親、区の集会に出かけていないしさ……それに、沙都、ipod忘れてるぞ。お前の好きなアニソン入れといてやったから、それも取りに来いよ』 いつもの優しい涼の声だった。 「うん。今から行く」 涼の声を聞いて、また、涙が溢れて来た。 青木クンとのことを聞かれるに決まっている。
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