第1章

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いつものように、涼の家の玄関のドアを開けると、中では涼が玄関の敲きに立って、わたしを待っていた。 涼の表情は電話で感じたものより、はるかに機嫌が悪そうだった。 「沙都……こんな時間まで、ずっと青木と一緒だったのか?」 「うん。ちょっと色々あって……」 「色々? 色々ってなんだよ」 「べ……べつに涼の心配するようなことじゃないから。明日……ちゃんと話すよ」 「明日? どう言うこと?」 涼が勘ぐるように見つめて来た。 「ごめん……今は言えないんだ」 「言いたくないなら言わなくていいよ」 「ごめん……」
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