29人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように、涼の家の玄関のドアを開けると、中では涼が玄関の敲きに立って、わたしを待っていた。
涼の表情は電話で感じたものより、はるかに機嫌が悪そうだった。
「沙都……こんな時間まで、ずっと青木と一緒だったのか?」
「うん。ちょっと色々あって……」
「色々? 色々ってなんだよ」
「べ……べつに涼の心配するようなことじゃないから。明日……ちゃんと話すよ」
「明日? どう言うこと?」
涼が勘ぐるように見つめて来た。
「ごめん……今は言えないんだ」
「言いたくないなら言わなくていいよ」
「ごめん……」
最初のコメントを投稿しよう!