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僕が驚いたのは、単に先輩が瀬菜を助けた事でも在学中の学校を間違えられた事でもない
大東中学校というその名前だけに僕の耳はしっかりと反応した
それは間違いなくあの子の転校前に通っていた学校に違いない
あの活発な瀬菜さえも的にするぐらいだから、一見温厚な乙葉なら尚更だと、今更ながら思った。
「それのお礼って言って、瀬菜は私らに色々奢ってくれてたのよね」
一先ず瀬菜が犯罪に手を染めていないことに胸を撫で下ろす
「そうだったんですか……」
「色々とつれ回してる分、奢って貰うのが当たり前になってた。 正直悪いとは思ってたけど、あの子の断れない性格に甘えてたかな……ある意味私らもいつの間にか加害者か……」
後悔の念を示すかのように、先輩は大きな溜め息を珈琲の香りを交えて吐き出した
「先に言っておきますけど、俺は大東中学の生徒ではないです。
瀬菜とは同じ学校でクラスの違う元彼ですよ」
そう説明した後でも、先輩は疑惑の表情を浮かべていた。
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