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第十八章 リミット #2
瀬菜の先輩4人の内のリーダー格の先輩一人が、彼女を横切ろうとしたところでそう投げ掛ける
「まだ何か……?」
「どうしてか聞いておきたいの」
「友達はどうしたんですか?」
「私は用事があるからって、先に帰ってもらったよ。 その方が君にとっても都合いいでしょ?」
鼻まで覆ったマフラー越しに白い吐息を漏らしながら、先輩は冬の冷たい風で乱れた前髪を直す
僕が気づくには十分なほど、その手は赤色に染まっていた
あれからずっと待っていたのか……?
携帯電話の時間を確認すると、瀬菜と喫茶店に入る前から一時間以上は経っていた
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