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「大丈夫、大丈夫! そんなん気合でなんとかなるなる!」
「ならねぇよ」
「え~っ! つれんな~」
「大体、競争率高いだろ。卓也だって、応援合戦に行けるか分かんねえぞ」
「それも、気合でなんとかする!」
「はいはい…っと」
なんとなく重い腰を上げ、僕は、黒板の方へ歩く。
まあ、ここは、大して目立たないし、負けても、あまり文句を言われない「借り物競争」が妥当かな。
そう結論付けて、借り物競争希望者の蘭に、自分の名前を書いた。
「書いてない奴いないかー? なければ、一旦締め切るぞ」
そう言って、担任が、規定人数に満たしたところに、大きく丸を付けていった。
僕の選択した「借り物競争」にも丸が付いて、僕は、安堵の溜め息をついた。
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