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「じゃあ、定員オーバーしたとこは、各自、相談なり、じゃんけんなり、好きに決めろ」
またもや、一斉に、椅子がガタガタと動き、教室内が、騒がしさを取り戻す。
「溢れた人間は、第2希望に名前書けー」
その騒がしさに負けない、担任の、よく通る声が響いた。
周りで、盛大にじゃんけんやあみだくじをやっている中、それを免れた一部の人間は、まさに蚊帳の外、その様子を見守っていた。
あれ? 数えたら、ウチのクラスの人数より、全定員数の方が多いぞ。
傍観者の一人にはならず、僕は、黒板を見つめながら思った
どれだけの人間が、この事に気付いているのかは分からないけど、なぜか、イヤな予感がしていた。
「全員、名前書いたな」
落ち着きを取り戻した教室内黒板に書かれた名前を確認して、担任が言った。
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