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「気付いてる奴もいると思うがまだ、定員に満たないとこがある。そこは、掛け持ちでやってもらうからな」
教室中ブーイングの嵐。僕は「やっぱり」と溜め息をついた。
「えー、じゃない。お前ら三年なんだから、仕切るの当たり前だろ。じゃあ、掛け持ちしてもいいって奴、名前書いて」
一瞬、静まり返ってから、一人、二人と席をたって、黒板に名前を書き始める。
それが、引き金になったのか黒板に名前を書く人数が少しずつ増えて、どんどん定員が埋まっていった。
真面目なのか責任感が強いのか、それとも、友達同士で一緒なものを出来るならOKっていう、集団心理か、とにもかくにも、そういうのがあんまりない僕は、席から動かず、ただ、定員が満たされる事を祈っていた
「後はいないか~?」
見ると、定員を満たしたという丸印がついていないのは、あと一つ、「仮装芝居」だけだった
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