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なんとなく、僕は、納得した
「仮装芝居」は、毎年三年がやる文化祭名物の一つで、その名の通り、様々なキャラクターに仮装した人達が、短い芝居をやるっていうものだ。
でも、やっぱり、文化祭の出し物っていうだけあって、それ程の"華"も無いし、練習とかめんどくさそうだし、人気が出る要素はない。
それに、僕は、去年、「仮装芝居だけは、やりたくなかった」っていう、先輩の愚痴を聞いていたから、なおさらだった。
「おーい、誰かいないか~?」
あえて、担任から目を逸らし黙っている。
常套手段だとは思ったけど、きっと、こうしてれば、奇特な誰かが、黒板に名前を書いてくれるだろうと信じていた。
でも、僕のそんな期待は裏切られ、しばらく、教室は、重たい空気に包まれた。
「誰もいないなら、掛け持ちしてる人間抜かして、くじ引きにするぞー」
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