天使

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美月さんは歯を食いしばって必死に痛みの波に耐えていた。 何度も押し寄せるその波のわずかな合間に私に笑顔を見せる美月さんに、私が励まされているような気がして自分が情けなかった。 長い時間の中で自分が役に立っているのかどうか、よくわからなかった。 たまに部屋に来てくれる看護師さんにやり方を教わった。ずいぶんと力を込めないと効果的じゃないらしい。 私の腕もほとんど痺(シビ)れて、力が入らなくなってきていた。 その時、 「悪い!大丈夫か!?」 部屋に入ってきたのは部長だった。 「…秀一さん。」 この頃にはもう、美月さんは部長を振り返る余裕もなかった。 「…ゆい、代わろう。」 部長がネクタイを外して、私と場所を代わった。
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