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部屋中に響く小さな命の大きな泣き声。
私たちの振り返る先から森田部長がゆっくりと歩みを進めて、分娩室の扉の前で大きく息を吐いた。
森田部長はしばらく黙ってその喜びをかみしめているようだった。
しばらく時間を置いてから、中から看護師さんが出てきた。
「あ、ご主人さまですか?おめでとうございます。…元気な女の子ですよ。処置も終わりましたので中に入っていただいて結構ですよ。」
「ありがとうございます。」
私たちは緊張の面持(オモモ)ちで分娩室に足を踏み入れた。
私と部長は森田部長よりもだいぶ後ろに続いて、森田部長と美月さん、赤ちゃんの親子の初めての対面を見守った。
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