天使

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美月さんの横たわるベッドの脇には小さなベッドが並んで置かれていた。 森田部長は先に美月さんに歩み寄った。 美月さんの顔を覗き込み、美月さんの手を取って、美月さんの頭を優しく撫でた。 「…お疲れさま。ありがとう。」 美月さんは笑って答えた。 「ふふ。おかえりなさい。お仕事…お疲れさまでした。」 その後、森田部長は小さなベッドに近づいて、その中を覗き込む。 まるで、恐る恐る、珍しいものを見るように。 森田部長は何度も角度を変えて赤ちゃんを見つめていた。 そして、存在を思い出したように私たちを呼んだ。 「…しわしわだな。ふやけてるみたいだな。髪の毛多いなー。うらやましいわ。しかし、ちっこいな!」 森田部長はつらつらと赤ちゃんを見ながら感想を並べる。 私は美月さんに 「お疲れさま。」と 「おめでとう。」を 言った後、赤ちゃんを見つめる。 「…初めまして。よろしくね。」 ギュッと握られた小さな手を少しの力も加えずにそっと触れた。 指先から伝わる体温が 小さな命の とてつもない重みを伝えていた。
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