1953人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃじゃーーーん!!」
「うわ、今年はすごいな。メチャクチャうまそーじゃん。」
「でしょ!?」
「マジですげーよ。」
「ふふん!!見ましたか!私の実力を!!」
「はいはい、見た見た。」
「軽くあしらわないで。」
「後はパスタだけか?」
「うん!アルデンテに茹でるから待っててね。」
私は沸騰したお鍋に振り返り、パスタを入れて、かき混ぜた。
今年のイヴ…私の誕生日も私たちは成瀬さんの家で過ごすことにした。
今年は彩りも素敵な洋食を頑張った。
サラダとスープとパスタ。ワインが飲めるようにちょこっとのおつまみ。
パスタとスープ以外が並んでいるテーブルは、クリスマスらしい華やかな彩りに見えた。
「なあ、このパスタのソース、魚介だよな?」
「うん。そうだよ。」
「あ、ちっこいアサリも入ってる。」
「うん。入ってるよ。」
「あ、イカも入ってた。」
「うん。入ってるよ。」
「ニンニクの匂いすんな。ウマそう。」
「うん。」
「早く食べてーな。」
「うん。もう少しだよ。」
「なあ、結婚するか?」
「うん。」
「………え?」
振り返ると成瀬さんがフライパンに指を入れ、その指先をぺロッと舐めてパスタソースを味見していた。
「…ウマい。」
最初のコメントを投稿しよう!